花巴水酛SODA POP ”活性にごり” 生

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奈良酒好きのひろこさんのお持ち込み。奈良の寺院で室町時代から伝わる「水酛」≒「菩提酛」(「水酛」と「菩提酛」は若干異なる説もありますが、ほぼ同様ということで、いったんここでは「菩提酛」と考えます)という独自の製法で、蒸したお米を生米に埋めて、水に浸して乳酸醗酵を促します(このお水を「そやし水」といい、乳酸をたっぷり含む甘酸っぱいお水になります)。その後、生米のみ取り出して蒸して、このそやし水に戻して麹を加えてできる「菩提酛」酒母を使ったお酒です。

どう見てもtheどぶろくなイメージのビジュアルなのに、”soda pop”ってタイトルが、なんとも言えずギャップ萌え。開栓は発泡のしゅわしゅわ〜と上がってくる泡の制御は必要ですが、そこまで激しい泡立ちではなく、とても控えめな泡上がり。底に沈んだ濁り部分から細かな泡が上がってきて、ワクワク感を煽ります。ふたの開け閉めを繰り返すこと40秒ほどで無事吹きこぼれなく開きました。香りは、甘くないカルピスみたいな香り、発酵食品の香りもします。ほんの僅かにトースト香やレモンドロップのような甘爽やかな香り(初恋の味?)も感じ、とても複雑。口に含むとジューシーでふくよかでやや甘酸っぱい酸味が広がって、香りから想像する複雑さが一気に押し寄せてくる感じ。甘ったるさはないのですが、軽くバニラっぽさもあり、ヨーグルト感とバニラアイス感が融合しているような。そこにちょっと青リンゴやハーブのような柑橘とはまた違った爽やかな香りが乗ります。少し温度を上げて飲んでもまた素敵。炭酸がよりマイルドになって、甘さが開いてきて、バニラアイス感が優ってきます。「水酛」が成す強めの酸が甘みを引き締めつつ立たせるみたいな、ちょっと不思議な成り立ち。 悪い方の遊び心でお燗もしてみました。ぶくぶくぶくぶく〜と吹きこぼれそうな泡立ち。つられてこちらも笑いが吹き出しました。味わってみて、さらに吹き出す。。。「酸っぱー」。酸が減るかなと思いきや、しっかり残って、持ち味の複雑な甘み、旨味が飛んじゃいました。残念。でもこういう実験ができるのが、楽しい。お店で飲むのとは違う体験。勉強会ならではだなぁと。でもせっかく仕込んでくださった美吉野酒造さん、無駄なことしてごめんなさい。ちゃんとその後は冷たいバージさョンで美味しくいただきました。

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